パラグアイの社会保障院IPSでは、公共医療の診察枠をめぐる早朝の待機が長く問題になってきた。IPSの案内資料には、周辺診療所で権利確認窓口が午前6時から開くこと、電話、ウェブ、携帯アプリでも予約できること、空いた枠を午前8時、11時、15時、18時に再割り当てすることが示されている。
整理券は限られた診察枠を順番に配るが、早朝に現地へ行ける人を有利にする。そこで予約経路を増やすと、物理的な列は短くできる一方、電話回線やネット接続、再割当時刻へアクセスする新しい競争が生まれる。列は消えるのではなく、窓口、通話、画面に分散する。
医療の待機で重要なのは、順番が公平に見えることだけではない。病状の重さ、仕事や介護の都合、遠距離からの移動もある。IPSの複数経路は、診察券を配る技術の変化であると同時に、誰が一日のどの部分を待機に差し出すかを変える試みだった。
複数の予約経路は、夜明け前に並べる人だけが診療機会を得る仕組みを崩した。改善の焦点は列を短く見せることではなく、予約を取るために一日の始まりを差し出さなくてよい状態へ変えることだった。
