2022年2月24日、南アフリカ・ソウェトのメドウランズ。ロイターの写真説明は、社会給付の受給者が郵便局の外に列をつくる場面を、場所と日付を明記して記録している。ここで待たれていたのは、抽象的な制度ではなく、窓口で給付金を受け取る順番だった。
同じ年の現地報道は、その順番をめぐるもう一つの現実を伝える。郵便局の給付列では、自称「queue marshal」が先頭付近の場所を売り、受給者に金銭を求めていた。列を整えるはずの役割が、限られた窓口と長い待ち時間のなかで、順番そのものを取引する仕組みに変わっていたのである。高齢者や体調の悪い人も待つ給付列では、わずかな前進が生活の一日を左右する。
行列は公平さを目に見える形にする一方、その公平さがどれほど壊れやすいかも示す。番号札でも柵でもなく、人の声で管理される順番では、誰が列を守り、誰がその権限を認めるのかが重要になる。ソウェトの郵便局前で待つ人々の姿は、給付制度の入口に、もう一つの小さな制度――列の秩序――が必要だったことを伝えている。
