20世紀初頭のエリス島で、移民の旅は船を降りれば終わりではなかった。米国議会図書館が所蔵するベイン・ニュース・サービスの写真には、移民局の登録机の前で一人の男性が待ち、その後ろに別の移民たちが列をつくる場面が残る。撮影時期は1907年から1917年の間とされ、職員は机の向こう側に座っている。
この写真が記録するのは、単に大勢の移民が島にいたという事実ではない。入国の手続きが、登録机へ一人ずつ進む物理的な順番として経験されたことだ。出身地も言語も異なる到着者が、同じ窓口の前ではひとつの列に組み込まれる。写真の説明は待ち時間や人数を示さないため、それらは補わない。
エリス島は国境であると同時に、名前や身元を行政記録へ移す場所だった。大西洋を越える長い移動のあと、最後の数メートルだけは、自分の前にいる人が登録を終えるまで進めない。写真に写る列は、地図上の境界ではなく、机と椅子と人の順番によって国境が作動する瞬間を見せている。
