ポルトガルの公共サービス窓口では、番号券が列を見えにくくする一方、番号券を得る前の物理的な列が消えたわけではない。行政監察官が2023年に市民窓口を現地調査した際、開庁前の列はファロで約15人、ポルトで約50人、リスボンのサルダーニャでは100人を超えた。サルダーニャの社会保障窓口では、予約なしで使える38枚の番号券が午前9時15分までに尽きた。列の目的は、税、社会保障、住民登録など複数の公共手続きを同じ建物で済ませることだ。人々はまず建物の外で到着順を守り、開庁後に番号券へ順番を引き継ぐ。番号券は待ちをなくす道具ではなく、屋外の一列を館内の呼出し順へ変換する境目だった。オンライン番号券や予約も利用できるが、当日枠が足りない窓口では、早朝から並ぶ行動がなお残る。ポルトガルの事例は、デジタル化された待機と身体を伴う列が、同じ一日の前後半として共存することを示している。