1989年4月28日、アルゼンチン政府は紙幣不足を理由に銀行休業日を設け、銀行と両替所を閉鎖した。ブエノスアイレスでは、現金を求める人々の長い列が現金自動預払機の前にできたと、当日の報道は伝えている。問題は口座に残高があるかどうかだけではなかった。紙幣を印刷する用紙の調達難、港湾と印刷所のストライキが新札の供給を遅らせ、通貨アウストラルの価値は年初から対ドルで大きく下落していた。価格が急速に変わる社会では、現金を手にする順番そのものが暮らしを左右する。これは通常の銀行窓口の混雑ではなく、通貨が足りないため銀行が閉まり、残されたATMへ需要が集中した行列だった。